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2018年6月6日 [最終更新日]2018年6月11日
日本大学(以下、日大)と関西学院大学(以下、関学大)の、5月6日に東京都内で行われたアメリカンフットボールの定期戦で、日大の選手が関学大の選手を悪質なタックルで負傷させたことが、連日報じられています。
日大選手は競技ルールを無視して、パスを投げ終えたばかりの無防備な関学大選手に背後からタックルをし、負傷させました。
定期戦後の記者会見で、日大選手は非を認めつつ、悪質タックルは監督やコーチの指示だったと明言。
一方の監督やコーチは、関学大の選手や保護者、日大選手に謝罪しましたが、反則の指示は否定しました。
両者の言い分は食い違っていますが、試合直後の監督の囲み取材で録られた14分の自供テープでは、反則行為を指示したことを認め、それに答えた日大選手を評価しています。
この問題に対して、全治3週間のけがを負った関学大選手の家族は大阪府警に被害届を提出、受理されました。
警視庁は、傷害罪の疑いを視野に日大への聞き取り調査を行うなど、捜査をしています。
示談交渉が行われ謝罪と示談金での解決となった場合は、示談書を作成・提出で不起訴、また被害届の取り下げがあれば不起訴となります。
この悪質タックル問題の場合では、示談不成立、不起訴とならずに起訴された場合、自供テープもあることから、日大選手には傷害罪、日大の監督やコーチには実行共同正犯が成立する可能性が高くなります。
有罪となった場合、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役、または50万円以下の罰金で、今回のケースでは罰金刑となることと考えられます。
日大選手の減刑の嘆願書提出も考えられていることから、罪の重さは日大アメフト部監督、コーチ、選手の順になるでしょう。
このタックル問題で気になるのは、弁護士費用がどのような扱いになるか、ではないでしょうか。
ここで、弁護士について説明しましょう。
弁護士を依頼する際み、費用がかからない場合があることはご存知でしょうか。
刑事事件で逮捕された者(被疑者)は、起訴される前の段階であっても、当番弁護士制度を利用して無料で弁護士をつけることができます。
もちろん、刑事事件の裁判となった場合にも、被疑者と被告人のために行動する弁護士である、弁護人をつけることができます。
この弁護人には、裁判所が選任する国選弁護人と、個人が弁護士と委任契約を締結する私選弁護人があります。
私選弁護人には弁護士費用が発生しますが、国選弁護人は訴訟費用として負担が発生しますが、場合によっては免除となることもあります。
さて、弁護士費用についてですが、支払い手数料または支払い報酬として、経費で落とすことができます。
ただし、法人や企業単位で依頼した場合に限り、個人での私的な弁護士への依頼は経費とはなりません。
今回のタックル問題は、日大と関学大の定期戦のプレイ中に発生しています。
そして、怪我をした関学大選手の家族から、日大選手・選手が所属するアメフト部の監督・コーチに対して被害届が提出されています。
これに対応する形で、日大選手は弁護士を立てていますし、今後示談や裁判の際に日大側が弁護士を立てた場合、それらも経費として落ちると考えられます。
関学大選手の父は、自身のフェイスブックで「宮川泰介選手がかわいそうでなりません」とのコメントを投稿し、試合当日の映像や写真などの提供を求めています。
また、日大選手への減刑の嘆願書を提出するとしており、署名受付用のサーバーがダウン状態になるほど集まっているそうです。
リスクマネジメントの生っていない日大の対応を非難し、顔出しで謝罪した日大選手を援護するといった世論で持ちきりですが、少々騒ぎすぎの気もします。
今後の対応が気になるところですね。
さて、悪質タックル問題において、傷害罪や実行共同正犯における刑事罰も話題となっていますが、実は税でも刑事罰に問われることがあります。
刑事罰とは、起訴されて有罪となってはじめて課されるもので、懲役・禁錮などの自由刑や罰金などの財産刑、死刑などの生命系があります。
日本では、懲役や禁錮、罰金程度の刑事罰がほとんどです。
みなさんは、きちんと納税していますか?
申告を行わなかったり、申告をしていても少なく税額を申告していたり、申告を終えていても期限までに税金を納付しなかったりすると、実は刑事罰に課されることもあります。
これらの場合には、元々の税にプラスして、無申告加算税・過少申告加算税・不納付加算税が課され、脱税があった場合には重加算税が課されます。
これらは行政上の処分であるため刑事罰とはなりませんが、明らかに悪質・多額な場合には、裁判沙汰になることもあります。
起訴されて有罪となると、刑事罰が課されます。
刑事罰については、罰則として各税法(相続税法・法人税法・所得税法・消費税法・国税通則法)に記されています。
また、会社法や金融商品取引法などの税法以外の法律にも、罰則について記されています。
今回は、悪質タックル問題から派生して、弁護士費用は経費になるかどうか、税にも刑事罰が存在することをご説明しました。
弁護士費用を経費にできるかどうか、また、刑事罰に課されないためにきちんと税申告・納税したいなど、幅広くご相談を承っておりますので、ぜひ気軽にご質問・ご相談ください。