2019年度税制改正大綱で、住宅ローン控除の適用期間を3年間延長することが発表されました。
住宅ローン減税により、消費税率が10%となる消費税増税の負担を軽減するねらいです。
この住宅ローン控除について、延長期間や対象となる条件をご説明します。
正式には「住宅借入等特別税額控除」という住宅ローン控除は、自己居住用として2014年4月1日から2019年6月30日までにローンを組んで住居したなどの条件を満たした場合、10年間減税を受けられるものです。
この住宅ローン減税は、2019年度税制改正で適用期間が3年延長されることが決まりました。
2019年10月1日から2020年12月31日までに住居した場合には、住宅ローン減税を13年間受けられます。
住宅ローン控除については、コラム「住宅ローン控除を適用する条件は? 確定申告で住民税も減額」でご確認ください。
減税を受けた10年以降、延長された3年間における1年毎の控除額は、下記のいずれか小さい額です。
この控除額を所得税や住民税から控除します。
年末時点で住宅ローン残高(上限4,000万円) × 1%
住宅購入税抜価格(上限4,000万円) × 2% ÷ 3
ただし、認定長期優良住宅や低炭素住宅の上限は5,000万円となります。
住宅ローン控除の延長が適用される対象は、消費税率10%となる住宅を取得した後に、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した方です。
対象となる期間に入居しなかった場合や、消費税率8%で購入した場合は対象となりません。
どのような方が対象となるか、詳しく説明していきます。
この住宅ローン減税は、消費税増税における負担軽減措置です。
そのため、2019年4月1日以降に消費税率10%の金額で住宅を新規に購入・契約して、10月1日以降に入居した方が対象となります。
ですが、住宅ローン減税はリフォームした場合にも適用することができますので、中古住宅でもリフォームすると延長の対象者となります。
中古購入してリフォームした際の適用については、コラム「住宅ローン控除はリフォームでも受けられる? 適用期限や必要書類」もご確認ください。
この延長される住宅ローン減税は、すでに購入済みの場合はいつ購入していつから住居するのか、また消費税率は8%か10%かによって対象となるか変わってきます。
2019年3月31日までに契約・購入した場合、軽減措置として消費税率は8%となります。
消費税率8%で購入した場合は対象とならないため、住宅ローン減税を13年間受けることはできません。
2019年4月1日以降に消費税率10%で契約・購入して、10月1日以降に入居した方は対象となり、13年間住宅ローン控除を受けることができます。
サラリーマンの方であれば、会社が行う年末調整のみで確定申告をしない方も多いのではないでしょうか。
しかし、住宅ローン控除を適用する初年度は、会社員の方も自分で確定申告をする必要があります。
確定申告を忘れてしまうと適用することはできませんので注意しておきましょう。
初年度に確定申告をしてしまえば、2年目以降は年末調整で手続きすることが可能です。
確定申告した年の10月頃に、住宅ローン控除申告書が税務署から9年分まとめて郵送されます。
この申告書は毎年使用するものですので、大切に保管する必要がありますが、仮に紛失してしまった場合には、税務署に申請して再交付を受けることもできます。
住宅ローン減税を適用していても、ふるさと納税で控除を受けることはできるため、併用することは可能です。
住宅ローン控除とふるさと納税の控除は、どちらも所得税と住民税から控除しますが、住宅ローン控除は所得税から減税した後、満額控除できなかった場合に残りの額を住民税から控除します。
納税額からの控除となるため、納税額を超える控除を受けることはできない点には注意しておきましょう。
ふるさと納税を利用すると確定申告が必要ですが、ワンストップ特例制度を適用することで、確定申告をする必要はなくなります。
詳しくは、コラム「ふるさと納税の仕組みや限度額、ワンストップ特例制度を図解で説明!」でご確認ください。
このワンストップ特例制度を適用する場合には、ふるさと納税は住民税のみからの控除となります。
そもそも、住宅ローン減税は所得税から減税をしてから住民税の控除となっていますので、ふるさと納税は住民税からのみの控除となってもお得に利用することが可能です。
住宅ローン減税はお得な制度ですが、消費税後に住宅ローンを組んで控除を受けても、そもそも消費税10%となっておりお得とまではいきません。
ただし、消費税率10%に合わせて「すまい給付金」の金額や対象者が拡大されます。
この住宅ローン減税とすまい給付金を合わせて適用することで、消費税前の購入と比較して同じくらいになることも考えられます。
これから住宅の購入を考えている方は、利用できる特例制度や給付金を確認して、時期や適用期間に注意して購入すると良いでしょう。
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