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社会保険(雇用保険)について

社会保険について

社会保険とは、健康保険・雇用保険・年金保険・労災保険・介護保険の5種類の総称です。

前回は、その社会保険の中でも比較的によく知られている健康保険についてご説明しました。
引き続いて、雇用保険についてご説明します。

雇用保険

雇用保険は、労働者の失業や雇用継続の困難などの場合に、生活・雇用安定のための制度です。

高年齢雇用や再就職での賃金の減少、育児・介護のための休業など、要件を満たすことで様々な給付を受けることができます。

 

雇用保険料の計算方法は以下のようになっています。

給与の総額(税金・保険料などの控除前) × 雇用保険料率

(給与の総額には交通費が含まれます)

一般的な会社の場合、会社負担が0.6%で、被保険者負担が0.3%です。

基本手当(失業保険)

「失業保険」とも言われており、前職の給与を考慮した手当金を、失業した際に支給するものです。

最低でも12か月分の保険料を納めている必要がありますが、解雇・倒産などの会社都合の場合は、6か月から受給対象者となることができます。

給付を受けることができる日数は、離職した日の年齢や雇用保険の被保険者であった期間、離職の理由(自己都合退社か会社都合退社か)によって異なってきます。

 

詳しくは、こちらをご覧ください。(https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html

雇用継続給付

雇用継続給付には、育児休業給付、高年齢雇用継続給付、介護休業給付があります。

 

育児休業給付金

子どもが、1歳になるまで給付金を受けることができます。

国民保険から支給される、出産育児一時金の対象期間である出産日の翌日以後56日を過ぎてから、1歳までの期間に対して支給されます。

最初の半年間は月収の67%、半年目以降は月収の50%を受け取ることができます。

 

育児休業給付金の申請は、育児休業開始から2か月後に初回分を行います。

申請の手続きとして、賃金月額証明書・育児休業給付受給資格確認票をハローワークへ提出します。

申請してから1週間~10日後に給付金が支給され、その後も2か月おきに申請し、分割して支給されます。

 

高年齢雇用継続給付

60歳以上65歳未満であり、被保険者の期間が5年以上ある方を対象にした給付です。

賃金が60歳時点と比較して75%未満になった場合、減額した分の15%を上限に、65歳になる月まで給付を受けることができます。

 

高年齢雇用継給付には、高年齢雇用継続給付と高年齢再就職給付金があります。

高年齢雇用継続給付は、60歳以降も同じ会社に継続して雇用される場合に支給されます。

高年齢再就職給付金は、失業して基本手当を受給した後、60歳を過ぎて再就職した場合に支給されます。

 

介護休業給付

被保険者や高齢被保険者が、家族を介護するために休みを取得した際に給付されます。

支給限度は3か月で、支給額は以下の式で算出できます。

 

介護休業給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額(賃金6か月/180) × 支給日数 × 67%

職促進給付

就職促進給付は、失業者の早期再就職を促進させるための給付制度です。

 

再就職手当

基本手当の受給要件を満たした人が、安定した仕事に再就職した際に支給されます。

再就職手当の支給額は、以下の式で算出できます。

 

①基本手当の支給日数が残り2/3以上ある場合

基本手当日額 × 所定給付日数の支給日数 × 70%

 

②基本手当の支給日数が残り2/3未満の場合

基本手当日額 × 所定給付日数の支給日数 × 60%

 

就業促進定着手当

6ヶ月以上雇用され、以下の場合に支給されます。

前職の賃金の日額 > 現職の賃金の日額(6ヶ月以上雇用された場合の賃金で算出)

 

支給金額は、低下した分の賃金6ヶ月分が、上限付きで支給されます。

 

就業手当

基本手当の要件を満たす人が、再就職手当の支給対象とならないパートや日雇いなど安定しない仕事に就職した際に支給されます。

支給金額は、基本手当の日額の30%分です。

 

常用就職支度手当

45歳以上の再就職者や、障がいを持つ人など就職困難者に支給されます。

再就職時期の制約はなく、早期に安定した仕事に就職した場合は再就職手当の受給を、長期となった場合には常用就職支度手当を受給できます。

支給額は以下の式で算出できます。

 

①受給要件を満たしている人

基本手当日額 × 45-90日 × 40%

 

②高年齢や日雇いの方など

基本手当日額 × 90日 × 40%

教育訓練給付

教育訓練給付は、厚生労働省大臣の指定する教育訓練を終了した場合、給付金を受け取ることができます。

支給対象は、要件を満たす被保険者と1年以内に被保険者であった方で、支給額は訓練内容によって異なります。

 

一般教育訓練給付金

支給額は、上限10万円までで教育訓練経費の20%分で、4千円を超えない場合は支給されません。

つまり、教育訓練費が最大で50万円まで、最低でも2万円を超えている必要があります。

 

専門実践教育給付金

資格や国家資格を取得するための給付金のようなものです。

1年間の上限が40万円、期間の上限が3年、最大120万円の範囲内で、支払った教育訓練経費の50%が支給されます。

訓練終了後1年以内に、雇用保険に加入できた場合、20%が上乗せして支給されます。

雇用保険とは

雇用保険とは、働く人を支えている制度です。知らないだけで、意外と受けることのできる制度があります。ぜひ確認しておきましょう。

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