法人税に関して2019年度税制改正では、中小企業を対象とした軽減税率制度の特例が改正されました。
この改正された法人税の軽減税率制度についてご説明します。
中小企業は、事業を行なっていく中で、デフレなどの経済や外部環境による影響を受けやすい状態にあります。
これらの影響を緩和することを目的として、中小企業に対しては、法人税における軽減税率制度を適用できます。
2019年度税制改正では、この法人税における軽減税率制度の適用期限が2年延長されます。
2019年10月より消費税率が10%へ増税されることから、消費税の軽減税率制度や簡易課税制度が見直されました。
この中小企業における財務基盤の安定化、また強化を目的として軽減税率制度の期限延長となりました。
それにより、しっかりとした設備投資や雇用拡大が見込まれています。
中小企業向け法人税における軽減税率制度の特例は、2019年(平成31年)3月31日までとなっていました。
2年延長されることから、適用期限は2021年3月31日までとなります。
適用対象となる中小企業は、所得金額が年800万円以下の普通法人で、一般社団法人や法人格のない社団、また公益法人、特定医療法人、協同組合などです。
期末資本金額が1億円以下である中小法人が対象で、5億円を超える法人などに株式100%で所有されている子法人などは除きます。
これまでの特例では、2019年3月31日までに開始する事業年度となっていました。
適用期限が2年延長され、2021年(平成33年)3月31日までに開始する事業年度に対して適用されます。
法人税の税率は、法人の種類や所得金額によって変わってきます。
中小企業に含まれる企業は、期末資本金額が1億円以下の普通法人で、一般社団法人などが含まれます。
協同組合などには、公共法人や特例医療法人などが含まれます。
特定の協同組合などについては、年10億円を超える所得には税率22.0%が適用されます。
法人の種類 | 所得金額 | 税制改正前 | 税制改正後 | ||
〜2019年 3月31日 |
2019年 4月1日~ |
〜2021年 3月31日 |
2021年 4月1日~ |
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中小企業 | 800万円以下 | 15% | 19% | 15% | 19% |
800万円超 | 23.2% | 23.2% | |||
協同組合など | 年800万円以下 | 15% | 19% | 15% | 19% |
年800万円超 | 19% | 19% | |||
大企業など | 所得区分なし | 23.2% | 23.2% |

法人税において、軽減税率制度は2年延長されることとなりました。
この特例と合わせて、2019年度税制改正による特別法人事業税と特別法人事業譲与税の創設や、法人税の税率と計算方法について確認しておきましょう。
疑問点や不明な点などありましたら、ぜひ1度ご相談いただければと思います。
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