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美術品等が減価償却資産に該当するかの判定(平成30年度税制改正)

減価償却資産について

減価償却資産とは、事業用資産かつ長期的な使用が考えられる、耐久性のある資産のことを指します。会計の際には、1度に費用とせずに、毎年少しずつ経費とすることができます。

美術品等を減価償却資産として扱えるか

この美術品等は、歴史的な価値がある代替性のないもの(古美術品、古文書、出土品、遺物等)に該当しない、絵画や彫刻等の美術品・工芸品を指します。古美術品や古文書等の歴史的な価値があり代わりがないものは、減価償却の対象にはできません。

 

今回の題材は、歴史的価値を有していない美術品であっても、減価償却資産として会計手続きができるかどうかということです。

法律の内容

改正前の取り扱いでは、以下の基準により、美術品等が減価償却資産に該当するかどうかを判定していました。

 

・美術関係の年鑑等に掲載されている作者が制作した作品

・取得価額が1点20万円以上、絵画は2万円以上

 

しかし、美術等に関する年鑑は複数存在し、掲載基準もそれぞれ異なることや、減価償却資産を区別する金額基準の20万円が基準として低すぎるという指摘から、専門家の意見等を基に法律の改正が行われました。

 

平成27年(2015年)1月1日より取得する美術品等については、改正された「法人税基本通達」が適用されています。

改正後の内容

美術等に関する年鑑に掲載されているかどうかではなく、100万円という価額が基準とされました。原則として、取得価額が1点100万円未満である美術品等は減価償却資産として取り扱うことになりましたが、細かい留意点があります。 

 

・1点あたりの取得価額が100万円未満の美術品等は、原則として減価償却資産です。

 時の経過により、その価値が減少しないことが明らかな場合には、非減価償却資産に該当しま

 す。

 

・1点あたりの取得価額が100万円以上の美術品等は、原則として非減価償却資産です。

 時の経過と共に、その価値が減少することが明らかな場合には、減価償却資産に該当します。

 

100万円未満であっても減価償却資産として計上できない場合や、100万円を超えても減価償却資産として計算できる場合があります。

減価償却資産の法定耐用年数

減価償却資産として計上する際には、その資産がどのくらい長期使用できるか、期間に応じて償却額を計算します。その使用期間として、耐用年数が定められています。

法定耐用年数とは、減価償却資産が利用できる耐用年数を税法で規定したもので、資産の種類や用途により耐用年数が詳細に定められています。

美術品等の法定耐用年数も、それぞれの美術品等の構造や材質により定められますが、室内装飾品として扱われる美術品の耐用年数は以下のように定められています。

 

・主として金属製のもの(金属製の彫刻等):15年

・その他のもの(絵画・陶磁器・彫刻等):8年

 

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