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所得とは? 宝くじの当選金や馬券、泥棒も確定申告が必要!

所得が何かという概念は実は複数あります。
ここでは全てご紹介しきれませんので、現在の日本の所得税法が採用している所得概念だけをご紹介します。

所得とは

現在の日本の所得税では、「あらたな経済価値の流入」を所得と捉えています。
専門用語では「包括的所得概念」と言い、専門用語にすると難しい印象ですね。
純資産が増えれば所得になると考えて頂ければ結構です。
所得について、事業所得や給与所得利子所得や配当所得もご確認ください。

宝くじの当選金や競馬の当選金、泥棒も所得になる

この考え方では、サラリーマンの給料はもちろんのこと、土地を売った代金の売却益も、購入した競馬の馬券の当選金も、極端な例では泥棒が他人の家から盗んだお金も全て所得になります。
それぞれお金(経済的価値)が入ってきた原因は様々ですが、今まで手元に無かった「あらたな経済的価値」が「流入」してきたという点では同じです。
この概念のもとでは所得原因が、一過性又は偶発性であろうが、反復・継続性があろうが関係なく、全て所得になります。
 
所得を得た場合には所得税がかかりますので、コラム「国税である所得税について」確認しておきましょう。

宝くじの当選金は?

宝くじを買ったことはありますでしょうか?
買ったことがあるという人は結構いると思いますが、300円ならまだしも1億円当選したという人は極めて少ないでしょう。
もし1億円当たったらどうなるのでしょうか。
 
上記の考え方に当てはめると、宝くじは偶発性が高く何かの対価として得るものではありませんので、一時所得として課税され、半分は国に税金で持っていかれそうです。
しかし現実にそうはならないのは、なぜでしょうか。

宝くじの当選金は所得税が非課税

宝くじの当選金に所得税がかからないのは、当せん金付証票法という法律の第13条で所得税は非課税とすると明記されているからです。
原則照らし合わせますと、宝くじの当選金という「あらたな経済価値の流入」があるので課税されるべきではありますが、他の法律の条項で非課税とされている為に結果的に所得税が非課税となっています。
 
おそらく、一時所得にされて半分近く税金で持っていかれると購入意欲が削がれてしまい、売上が減少するのを防止する意味で非課税にしているのではないかと筆者は思います。
余談ですが、宝くじの収益の一部は都道府県と政令指定都市の懐に入りますので、収益を減少させないために非課税にしておいた方が良いということもあるのでしょう。

じゃあ馬券はどうなる?

結論から申し上げますと、原則的に一時所得(例外的に雑所得)できっちり所得税が課税されます。
競馬ファンからすると怒りの声が上がりそうですが、馬券の払戻金を非課税にするという規定が法律にありませんのでこれは仕方ありません(船券、車券も同様)。
万が一にも万馬券を当ててしまい高額な払戻金を得てしまったら、翌年の確定申告が必要となり納税資金が必要になりますので、パーっと使わないで残しておきましょう。
みんなそんなことはしてないじゃないかと思うかもしれませんが、所得税法違反になりますので気をつけましょう。

では泥棒は?

空き巣でも強盗でも構いませんが、泥棒が1億円盗んだとして、その金額は所得として認定されるのでしょうか。
答えは上記に書いてしまいましたが所得になります。
それは、あらゆる「あらたな経済価値の流入」は全て所得として認定されるわけですから、例えそれが「違法な」所得であっても所得として認定されます。
現に所得税基本通達に「その収入の基因となった行為が適法であるかどうかは問わない」と規定されている(所得税基本通達36-1)ため、現行の所得税法では所得について性質を問いません。

泥棒が盗んだお金を確定申告すると?

では泥棒が所得税の確定申告をするのかといえば、それはしないでしょう。
しかし、確定申告をしなかった場合、窃盗罪や強盗罪に加えて所得税法違反がプラスされます。
本来は、確定申告をしなければいけないものなのです。
 
では、盗んだ1億円は確定申告をして、泥棒のものになるのかというとそうではありません。
盗みや強盗で得たお金は、当然ですが被害者に返還されるべきものです。
その前に、いったんは所得として認識され所得税の課税対象になるというだけの話です。
被害者に返還した時には、その時点で所得が無かったことになりますので、更正の請求をすれば泥棒に税金が還ってくることになります。

所得とは何か

所得とは何か、お分りいただけたでしょうか。
所得は国内だけでなく、国外にある場合にも所得税がかかりますので、コラム「 国内外で所得がある個人の課税所得の範囲 」でご確認ください。
所得を得た場合には、確定申告をして所得税を納める必要がありますが、非課税のものや控除もありますので、ぜひ確認しておきましょう。

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