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エンジェル税制はベンチャー企業にも投資家にもおいしい制度!?

近年IoT等によってベンチャー企業への投資活動が活発になっていますが、ベンチャー企業への投資活動によって個人投資家が受けられる税制上の優遇措置があることはご存知でしょうか。
「エンジェル税制」といわれるもので、制度自体は平成12年からありますが、平成20年の税制改正により現在の形になりました。
 

エンジェル税制とは

エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するために、ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家(エンジェル投資家)に対して、税制上の優遇措置を行う制度です。
ベンチャー企業に対して個人投資家が投資を行った場合、投資時点と売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができます。
また、民法組合・投資事業有限責任組合経由の投資についても、直接投資と同様に本税制の対象となります。
 

ベンチャー企業に投資をした年に受けられる優遇措置

投資をした年に受けられる優遇措置は2種類あり、所得税にのみ認められています。
 
① 優遇措置A
設立3年未満の新しい事業を実施する企業に投資した金額が、総所得金額から控除できます。
控除金額は対象企業への投資金額から2,000円を引いた金額です。
※控除対象投資金額の上限は1,000万円と総所得金額×40%のいずれか低い方です。
 
② 優遇措置B
設立10年未満の新しい事業を実施する企業に投資した金額全額が、その年の株式譲渡益から控除できます。
 

株式を売却して損失が発生した場合の優遇措置

対象企業の株式を売却して損失が生じた場合、その年の株式譲渡益と損益通算(相殺)できるだけでなく、その年に通算(相殺)できなかった損失を翌年以降3年にわたって繰り越し、順次株式譲渡益と通算(相殺)できます。
また、売却損失が発生した場合の優遇措置は所得税及び住民税の両方で認められています。
※ただし、上記の優遇措置Aまたは優遇措置Bを受けた場合には、その年の控除対象金額を株式の取得金額から差引いて売却損失を計算します。
 

エンジェル税制の対象となる企業の要件

投資をした年の減税措置(優遇措置A・B)毎に要件が異なります。
売却した年の減税措置は優遇措置A・Bの要件いずれかを満たせば適用されます。
優遇措置A、B
※経済産業省HP引用:http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/angel/subject/index.html
実際の審査時には、さらに細かい適用要件がありますので、ご注意ください。
 

優遇措置を受けられる個人投資家の要件

個人投資家(エンジェル投資家)は下記すべての要件を満たす必要があります。
 
① 金銭の払い込みにより、対象となる企業の株式を取得していること
(他人から譲り受けた株式や、現物出資で取得した株式は対象となりません)
 
② 対象企業が同族会社である場合には、所有割合(持株割合又は議決権保有割合)が大きいものから第3位までの株主(及びその親族やその関係会社等)の所有割合を順に加算し、その割合がはじめて50%超えとなる時における株主に属していないこと
 
※同族会社とは
その会社の3人以下の株主(及びその親族やその関係会社等)が当該企業の株主または議決権を50%超保有している会社をさします。
 

エンジェル税制申請から確定申告までの流れ

ステップ1 【投資を受けた企業が経済産業省へ確認書の発行申請を行う】確認申請
自社がエンジェル税制の対象企業であること、及び個人投資家がエンジェル税制の対象となる投資をしたことを確認しなければなりません。経済産業局で認定を受けると、経済産業大臣の確認書が交付されます。
※確認申請は事前に行うこともできますが、その場合には必要書類等が変わります

ステップ2 【投資を受けた企業が確定申告時に必要となる書類を個人投資家へ交付】

ステップ3 【個人投資家による確定申告】
 

まとめ

エンジェル税制を利用すると企業には個人投資家からの投資を受けるチャンスが増え、個人投資家は投資した年にも売却した年にも所得税及び住民税の優遇措置が受けることができ、双方にメリットがあるといえます。
エンジェル税制のご利用を検討中のベンチャー企業経営者、個人投資家の方はぜひ税理士にご相談ください。
 

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