ストックオプション制度とは、名前は浸透していますが、実際にやってみるとどのような効果があるのか、どのような手順を踏む必要があるのか、わかりにくい制度です。
このストックオプション制度について、数回に分けてご説明させていただきます。
ストック・オプションという言葉を単語ごとに分解すると、ここでは
「ストック」は株式の意味で、
「オプション」は一定期間内にあらかじめ決められた価格で取引(売却・購入)できる権利の意味となります。
ストックオプション制度においては、このうち購入の取引に該当しますから、「株式を決められた価格で購入できる権利」ということになります。
権利を付与される側からすると上記の意味合いで説明がつきますが、権利を付与する側は権利行使にあたり、一定の条件を設けることになります。
代表的な条件としては、「利益目標の達成」や「上場達成」などです。
株式を決められた価格で購入できるということは、市場での株式価格に左右されず、決まった価格で購入できるということです。
例えば株式を持っている会社の業績が上がり、市場での株式価格が上昇したときであっても、あらかじめ約束された価格で購入できます。
この「あらかじめ約束された価格で購入」することを、「ストック・オプションの権利行使」といいます。
さらに、市場での株式価格が上がっているときに株式を売却すると、低い金額であらかじめ設定された購入価格と、売却価格との差額分、もうかることができます。
この株式売却した際の、もうけである株式売却益のことをキャピタルゲインといいます。
ストック・オプション制度は、権利を行使する方、権利を付与する方、それぞれにメリットがあります。
上記のように、権利行使で購入する価格よりも市場価格が上がれば、行使する方はもうけが得られます。
そのため、行使する方が従業員であれば、会社の成長のための行動がもうけにつながることもメリットです。
①のように、株式価格が上昇すればその分もうけが増えるため、権利を付与された従業員が、会社の成長のため前向きに行動してくれるためのインセンティブとなります。
特に、株式価格が何倍、何十倍にもなる可能性があるベンチャー企業においては、成長途中のタイミングで従業員へストック・オプション付与のアナウンスをすることにより、会社の成長性と将来に向けての意欲のアピールとなります。
有能な人材を採用できる可能性が上がるというメリットが考えられます。
ちょっと後ろ向きになるかもしれませんが、キャッシュの節約としてのメリットもあります。
報酬を払いたいがお金がないため、ストック・オプションを付与することで今以上に労働の対価を感じてもらうというものです。
企業防衛の手段の1つとして、ストック・オプションを使うこともできます。
会社の拡大途中で、外部株主からの資本調達をすることも大いに考えられます。
大規模な資本調達に備え、あらかじめオーナー・創業者自身にストック・オプションを付与することで、将来低い価格で自身に株式を発行することができ、株式の持ち分比率が外部株主に偏らないようにすることができます。
ストック・オプションとは何かをご説明しました。
上記したように、ストック・オプションには多様なメリットがありますが、思うような結果を実現するためには、手続きや要件などについてより詳しく考察する必要があります。
税制適格ストックオプションの違いや適用要件・制限についても確認しておきましょう。
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