返礼品の豊富さで注目されている「ふるさと納税」。
このふるさと納税は主に個人向けの制度でしたが、「企業版ふるさと納税」もあるのをご存知でしょうか?
今回は、その「企業版ふるさと納税」についてご紹介します。
ふるさと納税とは、自分で選んだ各地方自治体に寄附をすると、地域の特産品などがもらえた上に、税金の控除まで受けられる制度です。
「納税」という言葉が使われていますが、実際は「寄付」のことです。
個人がふるさと納税を行った場合は、寄付金額から2000円を引いた金額が所得税・住民税から控除されます。
本来ならば、住んでいる場所に納めるはずの税金の一部を、自分で選んだ地方自治体に移すことが可能になるものです。
これまでは、ふるさと納税による税の軽減を受けるためには、確定申告または個人住民税の申告を行う必要がありました。
しかし現在は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用することで、確定申告などを行わなくても税の軽減を受けることができます。
ワンストップ特例制度とは、確定申告の不要なサラリーマンなど給与所得者が、ふるさと納税を行った場合、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられるというものです。(1年間の寄附先が5自治体まで)
この制度を利用した場合、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年度の住民税から控除されます。
この制度は、国の役所である税務署を通さず、自治体間でのやりとりで完結します。
企業版ふるさと納税とは、法人だけが行えるふるさと納税です。
正式には「地方創生応援税制」と言います。
つまり、寄附をする企業だということを世間に知ってもらえるため、企業イメージのアップを図ることができます。
対象となる納税は、2016年4月20日から2020年3月31日までに納付したものです。
2018年には、この期限を5年間延長し、2024年までする方針が固まりました。
寄附金額は、1回あたり最低10万円以上となっています。
寄附できる団体は、「地方版総合戦略を策定する地方公共団体」と定められています。
企業版ふるさと納税で注目しておきたいポイントは、寄付額に対する税額控除です。
謝礼品は受贈益となり、寄付金額を経費計上することができます。
企業版ふるさと納税は、寄付できる地方公共団体に制限がありますが、寄付に対して約60%の税額の控除が可能です。
特産品や謝礼品を受け取った場合には、受贈益として収益計上されます。
政府が認定した自治体の地域活性化の事業に寄付すれば、寄附金額の2割を法人住民税・法人税から、1割を法人事業税から控除できます。
国税・地方税(約3割)とあわせて、寄附金全体の6割を寄附金控除の対象とすることができます。
例えば、1000万円分の寄附を行ったら、600万円を寄附金控除の対象として活用することができます。
ただし、寄附金額のうち4割は自己負担となります。
1000万円分の寄付はそのまま経費として計上でき、そのまま全額経費として認められます。
4割は自己負担で、納税(寄付)をすることで、キャッシュもマイナスになってしまいます。
節税を期待している経営者には、あまりおすすめできません。
もし、「企業版ふるさと税」を活用されたい経営者がいましたら、注意が必要です。
中小企業の場合、キャッシュは今後の資金繰りのために必要なお金ですから、よく考えたほうがいいでしょう。
地方公共団体によって特産品や謝礼品の対応が違ってきます。
また、特産品や謝礼品を受け取った場合はその時価相当額を、受贈益として収益計上します。
税法上、地方公共団体は法人です。
法人税課税の対象となるため、謝礼品がある場合には注意が必要です。
企業版ふるさと納税と個人版ふるさと納税は、全然違う制度と考えておきましょう。
企業版ふるさと納税は、個人版ふるさと納税と違い、税額控除の点でも得になることはあまりありません。
そもそも、ふるさと納税は寄付であるため、得をするという考え方も違うかもしれません。
企業版ふるさと納税を使う際は、節税メインとして考えないほうがいいでしょう。
それよりも、「地域を応援したい」「自社の理念に似た事業を応援したい」など、社会貢献に重きを置き、自社の魅力をアピールしていくくらいの姿勢がちょうどいいかもしれません。
「企業版ふるさと納税」を有効に活用し、地方創生に取り組む地方を応援すれば、企業イメージのアップにつながる可能性もあります。
企業版ふるさと納税は、自治体の事業に対し寄附をすると、寄付額の6割分の税額控除が受けられて節税になり、地方創生に積極的な企業だとPRできる。
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