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社員の退職金を積み立てつつ節税!中小企業退職金共済とは

会社を経営されている方なら誰しも、節税について考えているかと思います。

今回も節税対策として使える制度「中小企業退職金共済」をご紹介いたします。

 

中小企業退職金共済制度(中退共)とは?

中小企業退職金共済制度(中退共)とは、中小企業で働く従業員の退職金を準備するための制度です。掛け金は全額経費として計上されるため、従業員の退職金を準備しながら、節税ができることになります。

 

加入~従業員に退職金が支給されるまでの流れ

①事業主が中小企業退職金共済と退職金共済契約を結ぶ。

②後日、中小企業退職金共済が従業員ごとに「退職金共済手帳」を送付。

③事業主が毎月の掛け金を金融機関に納付。(掛け金は全額事業主が負担)

④従業員が退職したとき、その従業員の請求によって、中小企業退職金共済から退職金が従業員へ直接支払われる。

 

では、実際に加入した場合、

その従業員はどのくらいの退職金をもらえるのでしょうか。

 

例:ある従業員が30歳の時に加入して、65歳で定年退職する場合

 

月々の掛け金2万円だとします。(これで毎年24万円の節税ができます)

この社員が65歳で定年を迎えてもらえる退職金の額は、1009万1,600円となります。

(退職金額表:http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/sisan/sisan03.html

つまり、1000万円分の節税をしながら1000万円近くの退職金を準備できたことになるのです。

 

では、中小企業退職金共済へ加入するメリットとデメリットを見てみましょう。

 

メリット

①節税対策

中小企業退職金共済の掛け金は全額経費として計上できるため、節税につながります。年払いも可能です。

 

②従業員の退職金の心配が不要に

会社は掛け金を中小企業退職金共済へ納め、従業員が退職したときには、中小企業退職金共済より直接、従業員に支払われるので、会社が退職金を管理する必要がありません。(掛け金の納付状況や、退職金の試算表は、毎年、送ってくれます)

 

③国から助成金が出る

中小企業退職金共済に新規加入した事業主には、加入後4ヶ月目から掛け金月額の半分(従業員1人につき上限5,000円)を1年間国が助成してくれます

 

④掛け金を自由に選べる

下記の中から、従業員ごとに、掛け金の額を選択することができます。

5,000円~10,000円までの1,000円単位:6種類
12,000円~30,000円までの2,000円単位:10種類

※加入後はいつでも増額することができます。

 

デメリット

①掛ける期間が2年未満の場合は、損をする可能性も

中小企業退職金共済では、掛けた期間によっては、支給額が少なくなるケースがあります。

支給される退職金の額は、掛けた月額と納付した月数によって計算される「基本退職金」に「付加退職金」を加えた額です。

ただし、付加退職金は、掛金納付月数が42ヶ月(3年と6ヶ月)以下で退職した場合には付きません
掛金納付月数が11ヶ月以下のときは、退職金も解約手当金の支給もありません。また、事業主がそれまで掛けていた分が戻ってくることもないです。
掛金納付月数が12ヶ月以上23ヶ月以下の場合は、納付された掛金総額の約2分の1から3分の1に減額されて支給されます。
そのため、中小企業退職金共済は、3年未満で退職してしまう従業員が多くいる会社にはとっては、おすすめできません

(1年以上2年未満の場合は、掛け金納付総額を下回ります。2年以上3年6ヶ月では掛け金相当額となり、3年7ヶ月以上からは運用利息と付加退職金が加算され掛け金納付額を上回ります。)

 

②掛け金の減額をする場合は手続きが大変

掛け金を増額をする場合には、いつでも行うことができる一方で、減額をする場合は、少々手間がかかります。掛け金を減額する場合には、次のような条件があります

 

・掛け金月額の減額をその従業員が同意した場合

・現在の掛け金月額の納付を継続することが困難である、と厚生労働大臣が認めた場合

このどちらかの条件に当てはまらなければ、掛け金を減額することは認められません

 

③その従業員を解雇する場合に、退職金の減額は困難

中小企業退職金共済は従業員の退職理由を問わず、退職金が従業員に直接支払われます。もし、従業員を解雇する場合でも、退職金を全額カットすることはできません。

また、解雇の場合、退職金の減額をすることは可能ですが、厚生労働大臣に対し退職金減額の認定申請をしなくてはなりません
退職金の減額が認められた場合でも、その減額した分が事業主に返金されることはありません

 

中小企業退職金共済には、いくつかのデメリットもありますので、加入の際は、自社にとって本当にメリットがあるのかを確認した上で、加入されるのがいいと思います。

 

退職金は、中小企業退職金共済から、退職者の口座に直接支払われます。もしその退職者が不祥事などによって解雇となり、「退職金を支払いたくない」と会社側が思っていたとしても、退職金の支払いを止めることはできません

中小企業退職金共済については、長く勤めてくれそうな信頼できる従業員のみ、加入させるのが確実かと思われます。

まとめ

中小企業退職金共済は、節税だけが目的の場合、要検討

従業員が長期にわたって働いてくれそうなら加入がオススメ。

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